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飯島・清元両姫路市長候補との意見交換会を終えて

公開日時 : 2019年02月09日

来春出馬予定の市長候補である飯島よしお氏・清元ひでやす氏と、相次いで意見交換会を実施しました。両候補者それぞれの政策には共通点や相違点がありましたので、本稿ではそれらを「芸文会議なりに」まとめてみることにしました。有権者の皆さまは、是非ご一読ください。

両候補者それぞれとの意見交換会を行いました

春の姫路市長選挙には、飯島よしお氏と清元ひでやす氏が立候補を予定しています。昨年の末、当会議では両候補者に対し文化政策を中心とした政策アンケートを実施し、お忙しい中にもかかわらず快くご回答いただきました。

そしてこの1月には、より進んだ議論を行うために、両候補者を当会議に招いた意見交換会を実施しました。(清元氏は1月23日に、飯島氏は1月30日にそれぞれお招きしました)

いずれの候補者もそれぞれに特徴的な魅力あふれる人柄を備えておられました。また、姫路市の抱える課題や未来への期待については共通した認識を多く持っておられるようでした。一方で、それらの課題をどのように解決するのか、あるいはどのように未来へつないでゆくのか…という方法論については、いくらか明確な違いがあったようでした。

本稿にて、詳しくまとめてみたいと思います。



アンケートおよび会談を通じてわかった両者の共通点・相違点など

姫路市の文化レベルについて

姫路市の文化は「土壌・潜在力は非常に高度であるが、いまのところ満足に活用・発揮できていない」というのが両候補者に共通した認識でした。清元氏が「まだまだ十分に発揮できていない」と警鐘を鳴らし、飯島氏が「活用すれば素晴らしいことができる」と希望を語っている構図です。

気候や風土の良さ、歴史的な背景など地域の持っている資源を産業と文化の両輪で発展させていくことの重要性と効果性について、意見交換会では両候補それぞれに確認ができたと思います。いずれの候補者が市長になられても、(流行の表現によれば)基本的な価値観を共有することができると確信できました。



新施設の利活用について

建設中の姫路市文化コンベンションセンターについては、両候補ともに「播磨全域で積極的に活用するべし」という認識。「施設は不要。あらゆる犠牲を払ってでも計画を止める/大幅に計画を変更する」というアイデアは共通して放棄しているようでした。

これも当会議としては大変喜ばしいことでした。



中心部・周辺部の格差について

市街中心部(駅北・駅南)の開発についても、極端な違いは見られませんでした。

確かに先日来、飯島氏が「田舎が疎かになっている」と市周辺部への注力を訴える一方、清元氏が「田舎軽視ではないか」と指摘されている構図が見られていました。しかし、この意見交換会で詳しく伺ったところ、両候補者ともに必ずしも極端な中心部または周辺部への偏重を企図しているわけではないことが分かりました。


飯島よしお氏との意見交換会
飯島よしお氏との意見交換会

飯島氏に「田舎重視の政策は、道半ばの市街地再開発を中途で放棄することにはならないか」と尋ねたところ、「田舎ばかりに注力するということではない。都会・田舎の別け隔てなく、あくまでそれぞれの地域にふさわしい発展を目指している。人通りの少なくなっている駅前商店街の活性化も重要。駅前バスターミナルについても、改善の余地があるということであって、全くダメだと考えているわけではない」との回答でした。全国的なコンパクトシティ化への流れに逆行するということではなく、(後述の連携中枢都市圏構想も含めて)播磨地域全体が過疎化してしまう危機に対する歯止め(人口の防波堤)として訴えているようです。


清元ひでやす氏との意見交換会
清元ひでやす氏との意見交換会

また、清元氏からは「田舎軽視とお叱りを受けることも多いが、軽視しているわけではない。ただ、都会・田舎それぞれに我慢していただかねばならないところがある。(小中学校の統廃合などについて)安直に残すというのではなく、通う児童にとっての最適解を模索していく必要がある」と指摘がありました。「児童が減った小学校では、例えばサッカーや野球などの球技を学年で行うことができない。残すのであれば、まずは生徒数を維持する方法から考えなければならない」といくつかの具体的なアイデアが提示されました。

芸術大学の設置案については、両候補者共に時期尚早との回答でした。

清元氏からは「既存の大学・高校などを活用して芸術教育の機能を拡充することから始めるべき」との回答がありました。一方、飯島氏は「(いずれ)そうなることが望ましいけれども、まずは人口減少対策が喫緊の課題」との認識のようです。



広域連携・自治体間連携について

播磨地域での、あるいは遠隔地との都市間連携については少し意見に違いが見られました。

連携中枢都市圏構想の立役者の一人でもあることから、飯島氏は播磨圏域の連携を最重要視しています。一方の清元氏は、播磨圏域の連携は重要視しながらも播磨以外との連携にも積極的であるようです。

飯島氏は、播磨圏域連携中枢都市圏(そもそも連携中枢都市圏構想自体、姫路市が提言したものです)をより強固なものとすることを訴えます。姫路・播磨の魅力を高めることで、全国から若者が集まる/流出を減らすことを目指しているようです。確かに、東京一極集中の問題は、私たちの地域にとっても大きな課題の一つです。

一方の清元氏。人口問題については、医者としての経験から播磨地域の医療レベルの向上…ひいては学術・研究レベルの向上によって優秀な若者を地域に呼び込み/または留めること(これは新施設に隣接して建設される医療センターの理念に合致します)を考えておられるようです。都市間連携については、播磨圏域の連携だけにとどまらず瀬戸内海沿岸地域や九州との連携などさまざまな交流を促進することで、姫路市が人と文化の行き交う拠点を目指すとのこと。



少子高齢化・人口減少について

最優先課題として掲げる飯島氏。連携中枢都市圏による多分野に渡った播磨地域の活性化以外に、特に福祉の側面からは子育て環境を改善することで少子化に歯止めをかけることを考えているようです。「未来に活かせる人材を育てたい」と、保育所・託児所の拡充や学校給食の無償化を含めた子育て支援策を掲げています。

一方、医師出身の清元氏は医大の誘致など、医療レベルの向上を目指しています。(芸術大学よりはむしろ医大を設置することで)高等医療教育の充実を訴えます。「播磨・姫路エリアの人口規模を鑑みれば、医科大学があって然るべき。医療の水準を高めることは、この地域の喫緊の課題の一つ」とのことでした。



その他、街の活性案など

両候補者それぞれに「当選したら、こんな面白いことをしたい」というアイデアをお持ちのようです。

清元氏には、姫路城・歴史ファンであるとのことで、瀬戸内地域連携で行う「中国大返し駅伝」や姫路城の石垣にちなんだ「ロック(岩石)フェス」、姫路城ナイトツアーの実施など…さまざまな企画のアイデアをご披露いただきました。

飯島氏は「ふるさと納税」を活用した新しい財源の確保を提案されました。現在、姫路市への「ふるさと納税」は数百万円程度規模。未公開エリアやナイトツアーなど、姫路城を活用した返礼によって数十億円規模の「ふるさと納税」を集め、福祉(子育て)の財源とするようです。また、過疎化しないスイスに学ぶ地域活性化案や新しい「政令指定都市」制度など、ご自身の行政経験に基づいた提案がありました。

余談ながら、当会議メンバーからもいくつかの活性案を提案しました。


Himeji ePrix イメージ
Himeji ePrix イメージ

そのうちの一つがePrix(FIA Formula E Championshipのグランプリ)の誘致です。「電気自動車による世界的なフォーミュラカーレースを姫路市に誘致することは、世界遺産を有する姫路市の目指すべき21世紀のビジョンに非常に合致する」と当会議代表の月ヶ瀬が訴えたところ、両氏それぞれに興味深く耳を傾けていただきました。清元氏は「実は市街地F3を心ひそかに考えていた」と披瀝いただき、飯島氏からは「姫路が世界都市になるため、とても興味深い提案だ」とコメントがありました。



まとめ

両候補者は、大変お忙しい中であるにもかかわらず、いずれも予定時間を大幅に超過して意見交換に応じてくださりました。命がけの選挙ですから、お二人にとって目下の最優先の課題は当選することでありましょう。ご自身をよく見せようとする心の働きがなかったわけではないでしょうが、それにしても随分とざっくばらんに心の内を開陳いただいたと思います。

お二人とも、理性と知性、愛嬌のあるお人柄、なにより故郷・姫路市を愛する心にあふれた素晴らしい人物でした。どちらの候補者が市政を担うことになったとしても、当会議は市の活性に協力して参りたいと考えています。

有権者の皆さまには、ぜひそれぞれのお考え・お人柄に触れた上で、ご自身の考えに従って投票に赴いていただきたいと思います。

※ 飯島氏からの指摘により、一部に加筆を行いました。(2/10 12:00)

文責
月ヶ瀬 悠次郎 (編集補佐:立花 晃)