ひめじ芸術文化創造会議
「ふるさとづくり青年隊」事業の一環として行われた熊本視察について、参加青年である橋本英司よりレポートがあがりました。
概要
2018年6月21日(木)〜22日(金)に熊本市を訪れ、フィールドワークを行いました。
熊本市は姫路市と同じく、観光地として有名なお城があり、また文化コンベンション施設も建設中です。熊本市は政令指定都市であり、人口は約70万人。一方の姫路市は約50万人と人口規模も近いです。
初日は熊本市の市街地の散策および、熊本市役所の文化コンベンション施設担当者との会談を行い、2日目は熊本城周辺の散策を行いました。
以下、私が感じたことや気づいたことを紹介します。
まちなみ
熊本駅
熊本駅と中心市街地はタクシーで10分弱ほどかかり、歩いていくには遠いです。その熊本駅の建物自体は大きく、お土産屋や飲食店が多く入っています。ただ、外に出ると人通りは少なく、商業施設など賑わいがあるような空間は見受けられませんでした。
中心市街地
熊本城の南東が中心市街地です。市役所を含め建物は黒色で統一されていました。中心市街地のアーケードは姫路のみゆき通りなどと比べて道幅が広く、ショーウィンドウとしての機能が高かったです。多くの店舗が大きな窓を持ち、パサートのようでした。訪れた当日は平日の昼間でしたが人通りが多く、とくに若者が多い印象でした。カフェも徒歩数分圏内に何店舗もあり、人々が集える/憩える環境が整っています。
アーケード同士を結ぶ横断歩道はかなり広く整備されており、アーケード間の移動は楽でした。
街中を歩く人が多いなか、自転車に乗る人は数少なかったです。路面電車が通っているからかもしれませんが、駐輪場も少なく自転車文化とは縁遠いところでした。
熊本城周辺について
中心市街地から熊本城へ向かう道は広く整備されています。なかでも街路樹の多さに驚きました。姫路市の大手前通りでは街路樹に集うムクドリの害が市民を困らせています。ただ熊本ではムクドリによる被害は見受けられず、ムクドリ対策のけたたましい音が流れていませんでした。ただ、植えた街路樹が歩道を狭くし、アスファルトを盛り上げ壊している箇所も見られました。近くに電気系統も埋まっており、補修工事には多くの手間がかかりそうです。
観光地として
タクシーについて
熊本タクシーと大衆タクシーの2社のタクシーに乗りました。どちらのタクシー運転手も熊本城などの観光情報に詳しく、郷土愛を感じました。熊本駅から熊本城まで遠く、熊本城への道のりは起伏が激しいためタクシーの重要性が高まりそうです。
熊本城について
熊本地震による被害は遠くに住むわれわれにとって予想以上でした。石垣などは崩壊し、それによる道の封鎖がありました。天守は足元が完全になくなりコンクリート構造で補強されていました。まるでラピュタのような非現実的な様相も見る価値があります。そのような状態でも「復興への道」というテーマの看板が設置され、観光客を楽しませています。その看板には建築物の役割や名前の謂れ、壊れた歴史などが詳しくかかれています。また、YouTubeでの解説もありました。
熊本城は遠くから見えないように木々で隠されています。そのため、駅や市街地から見ることはできず城に登らなければいけません。これは遠くから見ることのできる姫路城とは異なる点です。そのため、近くまで行って中に入ろうとする観光客が多いのではないかと推測できます。
食べ物について
熊本といえば馬刺しが有名でしょう。わたしたちの入った店は馬刺しがとても美味しかったです。そのお店は馬ホルモンなど馬肉だけでなく、食べたメニュー全てが美味しかったです。またご当地のB級グルメは太燕麺ですが、入ったお店が良かったのかB級以上のおいしさでした。ホテルでの朝食バイキングも含めて熊本の食べ物は、姫路・関西人の口に合うのではないでしょうか。
唯一、醤油や味噌はもろみ系の味なので好みが分かれるかもしれません。
また、「いきなりだご」は食べ歩きにオススメです。この「いきなり」というのは客人が急に来てもすぐに出せる、という意味だそうです。また「だご」は方言で「だんご」の意味です。中にはあんことふかし芋が入っており、食感は蒸しパンや饅頭に近い食べ物です。とにかくお腹に貯まります。
熊本人との関わり
市民との交流より
タクシーの運転手、市役所職員、飲み屋にいたサラリーマン集団、国際交流会館の職員、伝統工芸館で展示をしていた女性陶芸家などさまざまな方とお話しをしましたが、誰からも熊本愛・郷土愛を感じました。それは熊本県、熊本市という場所でもあり、熊本城・加藤清正や食べ物といった文化なのかもしれません。ですが、彼らから熊本に対する否定的な話はありませんでした。とくに飲み屋で話したサラリーマン集団に関西からやってきたと伝えたとき、「熊本にもっとお金落として帰ってください。」と笑いながら言われた時は驚きました。
一方で、主に行政職員に熊本城ホールについての市民の反応を伺った際は、興味がない・反対気味という声がかなり多かったです。市民は文化施設の使いにくさや必要性の無さを感じている一方、行政と折衝して使いやすくする、もしくは対案を出すなどの提案・交渉をするなどはしていないことがわかりました。これは姫路市にも共通のことであり、おそらく全国的にも同じ流れではないかと思います。
姫路とも縁の深い…?
水前寺公園の江津湖は当会議顧問の立花江津子氏の名前の由来となった湖だそうです。また、代表・月ヶ瀬の友人は神風連と由縁がありました。姫路で暮らしている方でも熊本にどこかで繋がっているかもしれない。そういう意味で今回の旅は何かとご縁があったのかもしれません。
この視察旅行は「ふるさとづくり青年隊」事業の一環として行われ、経費の一部に助成金を使用しています。
実施工程については、熊本視察旅行・実施報告をご覧ください。