ひめじ芸術文化創造会議 のWEBサイト

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第15回座談会・記録ノート

公開日時 : 2018年02月20日

2018年02月07日[水] 20:00より、姫路城下町ギルドにて開催されました。「これまでの文化政策の問題点、課題と光明」と題して、当会議で話題に上がっているようなことを20年以上前から提言し、実践されているステインドグラス作家・舞台美術家の立花江津子氏をお招きし、その経緯や実現できたこと/できなかったこと(まだこれからやろうとしていること)などを教えていただきました。

立花江津子氏からの提案・指摘

提案・指摘に先立って、氏の経歴やこれまでの作品などを披露いただきました。著作権などの都合で公開はできませんが、「舞台美術とステインドグラスの関係」や「光を描くとはどういうことか」など、大変興味深い内容でした。



姫路の芸術文化のハブとスポーク

資本・資金

この会議(当会議)には、将来に渡って姫路の芸術文化の中核を担う重要な役割が期待されますが、その活動を維持するためには資本が必要です。例えば「ひめじ芸術文化財団」のようなものを設立する必要があるかもしれません。



文化教育(文化塾や芸術大学の必要性)

姫路を含む播磨地域には芸術大学がありません。地域に相応しい文化塾・芸術大学を設立する必要があります。また、そこでは単なる芸術・文化に関する知識・技術だけではなく、「文化事業の企画・運営のノウハウ」や「地域に特化した文化芸術(城郭建築・伝統芸能・歴史など)」に関する教育を行う必要があります。



「姫路芸術文化そうぞう館」

上記に関連して、城郭建築(世界に類のない姫路城)や播磨地域の生活文化・芸術文化を記録し、展示・研究するための施設が必要です。また、新たな芸術文化を「そうぞう(想像・創造)」する場所としての新施設は、市民の芸術文化をサポートする役割も求められます。



楽しむ街、姫路

現行の計画によれば、「キャスティ21・イベントゾーン」には十分な飲食店・ファッション関係店や芸術文化活動を支える施設(図書館・画廊・楽器屋…)が不足しているようです。観劇前後の余暇や余韻を楽しむためにも、施設周辺の発展が必要です。

また、姫路城周辺では姫路城閉館時刻(16時)以降には多くの商店が閉まります。観光客が長く姫路に滞在するためには、このあたりもネックになっているようです。



柿(こけら)落とし

新施設(劇場)の柿落としに際して、施設の性格を体現するような、姫路・播磨にまつわる物語が必要です。悪しき前例としては、先の姫路城改修後に城内で上演されたオペラがあります。記念すべき内容と演目(イタリアのオペラ「道化」)に関連性が乏しく、興ざめした人も多かったようです。

泉鏡花の『天守物語』は姫路・播磨を題材とした優れた作品であるけれども、市民・地域の人々の中の手で作られた作品が欲しいと考えます。(実際に執筆中/上演計画を検討中とのこと)



地元の文化・歴史を正面から捉える必要性

戦前は軍都として栄えた姫路市、花柳界・遊郭・料亭文化が栄えた色街としての姫路市街…など、時代の流れの中でアンタッチャブルな/忌避すべきものとして蓋をされてきた文化があります。現代のモラルにだけ照らし合わせて考えるのではなく、文化(文化史)の研究は行う必要があるのではないでしょうか。

(追記1)それほど昔ではない時代(40〜50年前)、姫路には花柳界・料亭(それ以前には遊郭も)がありました。政財界の人々や商店主が客として訪れたものです。当然、そこには芸子・舞妓が居て、「芸事」は街に必要不可欠な要素でした。東京や大阪などから一流の師匠(先生)が来姫し、その影響が一般にまで及び、習い事などが盛んでした。

(追記2)長唄・常磐津・清元・歌舞伎などは、現在ではアンタッチャブルとされているものが多く素材として取り上げられています。それが新しい文化や流行・ファッションの生まれ方ですし、現在私たちが何気なく楽しんでいるドラマ・演劇なども、そうやって生まれたものです。「光と影」無くして文化は生まれません。影を避けてばかりでは、文化が衰退するばかりです。



ディスカッション

情報をできるだけ視覚的に提示する

今回の新施設について行政が市民に告知をする際に、おそらく苦労したであろう原因の一つが、「これまでになかったもの」を人に伝えることの難しさが考えられます。口頭で、あるいは文書では広く人々に意思伝達を行うことが難しい面も否めません。

また、芸術・文化などの創造的活動は基本的に「これまでになかったもの」づくしです。

したがって、企画の提案や告知に際しては、できるだけ画像や動画を用意する必要があるかもしれません。このあたりは、「広告戦略」という観点からも考えて見る必要がありそうです。



「クリエイティブ・プロフェッショナル」の重要性

創造都市論(創造的階級論)における「クリエイティブ・プロフェッショナル」と呼ばれる層を重点的に厚くする必要がありそうです。また、当会議の活動も、どちらかと言えば「スーパークリエイティブ・コア」よりは「クリエイティブ・プロフェッショナル」よりの役割を果たすべきでしょう。



バンド活動の場が不足している

姫路にはバンド練習やミニライブができる会場が少ないのではないか、という指摘が上がりました。当会議でも練習室やライブ会場についての情報収集と公開を行うべきかもしれません。



指定管理者と市民の関係について

新施設は、その特殊性から運営ノウハウを持った管理者の候補は多くありません。いずれの運営業者が指定管理を行うにしても、市民との間に意思疎通が必要です。当会議がその役割の一端を担うべきか、という提案も上がりました。

この件については、次回の座談会でも引き続き議論が行われる予定です。



当会議の運営に関して

会則・規約をとりまとめて、早急に助成金を受け取ったりや企画運営を行ったりする「主体者」としての体裁を整える必要がありそうです。

これについても、次回の座談会において議論が進められる予定です。

出席者(敬称略)
立花 江津子(ゲスト) 芳賀 一也 今里 あけみ 立花 晃 芦田 檀 花柳 沐香 高巣 恵 篠原 加奈恵 上田 成昭 伊勢田 駿佑 橋本 英司 月ヶ瀬 悠次郎
記録
橋本 英司
文責
月ヶ瀬 悠次郎