ひめじ芸術文化創造会議 のWEBサイト

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ひめじ芸術文化創造会議

公開日時 : 2017年12月10日

2017年12月06日[水] 19:30より、姫路城下町ギルドにて開催されました。「いま、本当に市民が考えなければならないこと」と題して、これまで11回の座談会を振り返りながら、来年に向けた反省や意見集約などを行いました。

「ひめじ芸術文化創造会議」の組織運営

署名参加者へのお知らせ

活動を開始した頃は、計画の再検討も含めた見直しを求める署名活動も行っていました。しかし、現在では、どうやって新施設を活用するかを考える方向にシフトしています。このあたりの事情については、署名してくださった方や集めてくださった方に対して、何らかの説明を行う必要があるのではないでしょうか。

これまでの座談会の流れと、来年開催予定のフォーラムへのご案内をまとめたものを、皆様にお送りするのが良いかもしれません。



専門性と市民参加のバランス

巷の「まちづくり会議」にありがちな、「議論のための議論」や「聞き心地の良い議論」ではなく、根拠(エビデンス)のある提言をすることが、この会議の目指すところです。そのため、専門的な話題についても取り上げてきましたが、一方で一般市民にとっては敷居の高い会議となってしまった側面も否めません。

今後は、各種の学会での発表なども視野に入れた専門的な検討会を行う一方で、一般市民の声を聞く場も同時に開いていく必要がありそうです。



財源確保

この会議は、有志のボランティアによって成り立っていますが、運営に必要なコスト(資料印刷代・WEB運営費・人件費・会場代など)は回を増すごとに増大しています。今後の運営費確保のためにも、活動資金を確保する術を考えねばなりません。

また、将来的にはペーパーレス化やオンライン会議も検討しています。



組織体制

現在、代表者・責任者なども不明瞭です。今後も継続して運営するために、法人化なども検討する必要がありそうです。また、この会議の趣旨を憲章の形にしてはどうかとの意見があがりました。



ことばの定義

前回(第11回)でも話題に上ったテーマです。特に、もっとも重要な「市民」や「文化」といった言葉が不明確なまま議論が続けられていることは由々しき問題です。ただし、幅広く雑多な意見を活字として記録するために、意図的に曖昧にしてきた歴史についても、考慮する必要があります。



最終目標

「この会議の最終的な目標は何か」という質問があがりました。

この会議の創設理由の一つに、「芸術や文化に属する人々が派閥を超えて交流する必要性」がありました。今回の施設のように、個人レベルでは手に負えない大きな問題を、有機的なネットワークによって受け止めることができると考えています。

可能な限り記録を残すことで、(この会議が成功するにせよ、中途に挫折するにせよ)将来の検証材料とすることも、大きな目標の一つです。



市民フォーラムについて

来年(2018年)の2月頃を目標に、市民フォーラムを開催しようと考えています。なかなか座談会に足を運びづらい方々や、有識者・報道に集まっていただき、街の文化政策のあり方について、より大きな市民的議論のきっかけを作りたいと考えています。



創造都市論への批判

手垢のつき始めた創造都市論

創造都市論は20年近くも前の学説であり、現在は多くの自治体が創造都市を目指しています。すでに先行者利益は枯渇し、「自称・創造都市」や「創造都市になりたい都市」の乱立が起こっているのが現状です。



スーパークリエイティブ・コア(SCC)のノマド的性質

創造都市論では、SCCの存在を軸に街づくりを行うことを目指しています。しかし、特に外部からSCCを誘引しようとするタイプの計画は、多くが失敗しています。都市間で苛烈するSCCの奪い合いや、定住や安定を望まないSCCの気質がその要因かもしれません。



世界初の都市計画を目指す

既存の都市論に盲従するのではなく、「姫路らしい都市政策」を考える必要がありそうです。



新施設が良いものになるために

市民が納得した施設

巨額の予算を費やす公共施設ですから、市民の意見を無視して建設されるべきではありません。一方、(しばしば相反しがちな)意見の全てを取り入れることは不可能です。市民が互いに妥協点を見出し、コンセンサスを官民全体で共有する必要があります。

このことも、この会議が果たすべき役割の一つかもしれません。特に、姫路文化国際交流財団と連携して、これを行う必要があるでしょう。



新施設の強み

大阪や神戸からの集客も難しくありませんが、それ以上に新幹線を利用する遠方(東京・名古屋・広島・福岡など)からのアクセスは、大阪や神戸よりも優れています。



脱・自虐都市感

市民の多くが自虐的に都市を捉えている限り、どのような高性能・高機能な施設ができても、重箱の隅をつつくようなクレームの対象にしかなりません。



芸術大学の必要性

播磨地域には芸術大学がありません。芸術文化の基盤を維持・向上するためにも、将来的には芸術大学を作る必要がありそうです。



その他、劇場の施設面について

屋上についてのさまざまな意見がありましたが、あとから変更しても大きな負担にはならないため、まずは様子を見ようということになりました。

この会議から提案されたアイデアのうち、いくつかは行政サイドも検討し、実際に取り入れられているものもあるようです。

より細かい設計図面などの情報が12月半ばには公開されるそうです。小ホールの座席数が180席に増えるなど、いくらかの変更点があると聞いています。

記録
橋本 英司
文責
月ヶ瀬 悠次郎

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