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第10回座談会・記録ノート

公開日時 : 2017年11月10日

2017年11月08日[水] 19:30より、姫路城下町ギルドにて開催されました。「劇場併設のコンベンション施設と産業振興」と題して、市民はコンベンション施設をどのように活用してゆくべきか、さまざまな意見交換を行いました。

コンベンション施設の在り方と市民

前回に引き続き、コンベンション施設について意見交換を行いました。今回は、特に実際に姫路市で開かれたコンベンションイベントに携わった方にもご参加いただき、具体的な利用に関する問題点や経済・産業の立場からの施設によせる期待の高さについて、ご説明いただきました。



劇場施設とコンベンション施設が併設されていることについて

特徴ではあるが、シナジー効果を無理に生み出そうとする必要はない。それぞれ個別の活用について、まずは考えてみることが大切。

抱き合わせで作るというよりは、「劇場が必要、コンベンション施設も必要。両方必要なら、一緒に作っときますか」ということ。それぞれにミッション(役割)がある。

施設の収支バランスで言えば「劇場の赤字をコンベンション施設の利益で補填する」という状況になる目算も…



オーバースペック(大きすぎる、持て余す)の懸念に対して

それは間違い。あれば活用される。

(「2000席の大ホールが大きすぎる」という声に対して)現在は使えない人・団体も、使えるように成長していくことを目指す発想が大切。

かつての文化センターも設立当初はオーバースペックと言われた可能性が…(要検証)



キャパシティに見合ったミッションについて

インフラ整備はやり直しがきかないので、(達成ができるかどうかは別として)何を目指すかを明確化すべき。今回の場所の定義付け、この場所で何を企図しているのかを、まず良く考える必要がある。

現在の文化センターの単純な移転なのか、新しい施設なのか。この場所にこういう施設を設けることの意義を理解するべきだ。

「播磨地域外の人がイベントを行って、播磨地域外の人が集まるのが効率がいいのではないか(第9回での話題の1つ)」という判断は、インバウンドの点ではそうかもしれないが、それだけで結論付けるのは尚早。

姫路市の中だけでこの施設を考えるとオーバースペックかもしれないが、播磨地域全体・広域的で考えると、施設のキャパシティを埋めるポテンシャルは十分にある。(後述「播磨のポテンシャル」)



連携中枢都市圏(播磨圏域8市8町)のまとまりと姫路市のリーダーシップ

姫路市は連携中枢都市圏のリーダーとしての役割を果たしていく必要がある。

一方で、地域同士の差異(格差)がある以上、どうしても疎まれてしまう側面もある。

「姫路市が残りの7市8町から富を吸い上げている」という批判はある部分では受容すべきだが、それ以上のメリットを周辺地域にもたらすことができるはずだ。

地域同士の差異をデメリットと捉えるのではなく、それを財産として活用すべき。(姫路市内でも、各エリアの差異を活かす発想が必要/合併して一つの大きな市にならなかったことのメリットを活かす)



播磨のポテンシャル

歴史的に、産業(ものづくり)や貿易・人の交流が盛んな土地であった。

現代でも国内有数の工業製造品出荷額を誇っている。兵庫県全体の工業製品出荷額のうち約6割が播磨圏域によるものであり、仮にこの圏域を「播磨県」として考えると全国都道府県15位(東京都・栃木県・岡山県などと同じくらい)、「播磨市」として考えると政令指定都市1位の川崎市の2倍近くの出荷額になる。

国際的な産業フェアを行うだけの意義や責任、メリットが十分にある地域であることを、私たちが自覚する必要がある。

実際、2008年に開催された「国際ビジネスフェア in 姫路」では、会場が新施設より条件(アクセスや会場の広さ・間取り・土足禁止などの面)の悪い兵庫県立武道館であったが、300社の出展と2500人以上の来場者があった。



後日寄せられた情報

「国際ビジネスフェア」の翌年に開催された「地域発信フェスティバル」では、8500人の来場があったが、物販(割引)イベントを行って来場者が増えた反面、商用利用のため使用料が高くなったりもした。また、そもそもコンベンション用途ではない武道館では、搬入・搬出や展示が難しく、施設へのダメージを弁償することも(実際、一部の床が破損するなどした)勘案しなければならない。



都市の在り方の変化

「創造都市」「コンパクトシティ」などの発想が具体化し始め、世界的な人口増減や国力バランスの変化(中国の台頭)なども著しい。都市の在り方や私たちの生活環境を一変させるような時代に差し掛かりつつある。



播磨全体で考えるときに…

(結果的に姫路市民を利することであっても)「姫路市の予算で隣の市町村の利益になることをする」ことを市民が理解・受容できるだろうか。

外観を含めた「市民が親近感を持てるような施設であるべき」という問題についても、「播磨の人たちの親近感」という視野に広げる必要があるかもしれない。

劇場の愛称で「播磨の施設」感を出せないか。正式名称についても「姫路市文化コンベンションセンター(仮称)」よりは「播磨文化コンベンションセンター」などとしたいところだが、市立の施設であるのでそれは難しい。(余談ながら、「播磨は兵庫県から独立してしまったら良いのに」という話の流れで「播磨独立記念会館(インディペンデント・ホール)」というようなアイデアも…)



その他

界隈づくり

劇場施設と駅の間に品のいい飲食店があるような状態が望ましい。JRが高架下に何か作ってくれたら良いのにな。

高架の南側に、レストラン街などを作る余地はあるだろうか。



新施設の地理的なメリット・デメリット

国際会議のスケールは、市民にとっては「ピンとこない」レベルになりやすい。例えば「Spring-8」で国際会議を行う場合は、海外からのVIPは空港からヘリコプターで現地に到着することを想定している。そう考えると、新幹線が停車する駅から徒歩圏内にあることは、利用者にとってはメリットの大きさが分かるかもしれない。

一方で、公共施設は利用者を(よほど明確な反社会的な活動でない限り)選別しにくく、政治的な集会や宗教行事に利用されることも想定しておかなければならない。施設内で行われている活動に対する、抗議活動などが周辺で行われたりする可能性も…辺鄙な施設でないことが災いすることもあるかもしれない。



プロデューサー不在

街から「鶴の一声」を出せる人、甲斐性がある人…が消えてしまった。

良くも悪くも民主主義が進行しすぎたので、「よくわかっていない人」の意見も等しく反映させねばならない弊害があらわれているのではないか。

あるいは、この会議自体も「よくわかっていない人」の妄言になりかねない(または、既になっている)のではないか。



世界遺産とリンク

世界遺産に関係したコンベンションが、世界遺産のない神戸や大阪が行う必要はない。

日本の他の世界遺産保有地域よりも、条件が圧倒的に良いはず。



日本における創造都市政策

創造都市を目指すことは悪くないが、「創造都市(自称)」「創造都市ワナビー」のようなのがポコポコ増えただけ…という批判もある。

記録
月ヶ瀬 悠次郎
文責
月ヶ瀬 悠次郎