ひめじ芸術文化創造会議 のWEBサイト

シェア

第8回座談会・記録ノート

公開日時 : 2017年10月23日

2017年10月11日[水] 19:30より、姫路城下町ギルドにて開催されました。前半は『市政出前講座』として、文化コンベンション施設整備室より近藤課長補佐と西本課長補佐、MICE推進課より大前課長にお越しいただきました。後半は参加者による自由なディスカッションを行いました。

市政出前講座(前半)

前半は近藤課長補佐より、資料を元に進捗と課題について詳しく教えていただきました。



新施設の役割

これまでは、新施設がその役割を果たせるよう設計することに注力してきました。

現在は、(周辺の街づくりも含めた)広い視点から新施設の役割について考えていきたいと考えています。



3つのテーマ


コンセプト(提供:姫路市)
コンセプト(提供:姫路市)
「新たな東西軸の核となるにぎわい拠点」

従来より姫路駅〜姫路城の南北に賑わいの動線がありましたが、ここに東西の動線を加えて、人々が広く回遊できるような賑わい圏域へと変えていきたいというのが、駅周辺に対するアプローチの基本(キャスティ21事業)です。特に新施設では、文化・創造活動とMICE推進による賑わいの創出を考えています。



「播磨の歴史に根ざした交流拠点」

新施設の予定地は、古くからは姫路城の南東(北条門)に位置する交通の要衝であり、近代には銀の馬車道が通った所です。現在もJR山陽本線・山陽新幹線・JR播但線・国道2号線に囲まれていて、交通・交流の拠点としての歴史的なポテンシャルを活かした整備を目指しています。



「中心市街地南東部におけるみどりの拠点」

新施設の予定地周辺は、姫路の市街地の中でも特に「みどり(まとまった緑地)」が少ないエリアです。外堀川も含めた環境整備を行うことで、周辺地域の環境向上にも資する拠点となることを目指しています。



デザイン・構造

1号公園から施設まで、施設外観

通路(提供:姫路市)
通路(提供:姫路市)

駅に近い方から順に、1号公園(森林公園→芝生の丘)→渡り廊下(歩道橋)→劇場という流れを計画しています。森は自然なイメージ、丘はやや人工的。通路・渡り廊下のデザインも自然から人工的な建物に移動する中で調和したものになるよう検討しています。

施設入り口の北側にも森(憩いの森)を作る予定です。渡り廊下を歩いて到着したお客様が最初に目にする所なので、眺めの良い景色を作りたいと考えています。また、中ホールホワイエや最上階の展望室から見下ろしたときの見栄えなども意識しています。


外観(提供:姫路市)
外観(提供:姫路市)

外壁や屋根は、姫路城の連立天守をモチーフ(最上階の大会議室部分の天井を高くした関係で、施設の天頂部は大ホール・中ホールに次いで3つめの出っ張りを持つことになりました)に、白いタイル壁と重層する屋根をイメージしたデザインになります。その他にも、石垣をイメージした構造物なども計画しています。また、公園の芝生エリアの通路下構造とも連動させていく予定です。

屋上緑化に関しては、ランニングコストを可能な限り抑えつつ、十分なビジュアル的効果を得られるように検討中です。特に新幹線からの見栄えを意識し、姫路を訪れるきっかけ作りになれば、と考えています。


俯瞰外観(提供:姫路市)
俯瞰外観(提供:姫路市)

屋外・屋内展示場がガラスで仕切られていて、内と外が繋がるようになっています。展示場内は消防法の関係で火気の使用が制限されますが、屋外であれば可能です。コンロなどのガス調理器具を屋外展示場に持ち込めば、食に関連したイベントなども十分に可能だろうと考えています。また、屋外展示場の半分は広い軒の下なので、雨天にも対応できます。

施設自体は、かなりの大きさです。屋内展示場は、東西に100m以上あり、屋外展示場を合わせると、ちょうど大手前公園の広い部分に近い大きさ。「4階まで吹き抜けになったイーグレひめじ」をイメージして欲しい。



1号公園の活用


公園(提供:姫路市)
公園(提供:姫路市)

文化コンベンションセンターの前庭として公園を有効に活用すべく、公園と新施設が連携して機能できる一体的な整備を検討中です。

スロープは十分に緩やかな傾斜と踊り場を設けて、歩き疲れにくいようなデザインを心がけています。通路には屋根をつけますが、雨よけ・日よけとしての機能と暗くなり過ぎないようにするバランスにも配慮して検討中です。

芝生は寝転がりやすい傾斜で、市民同士の交流や憩いの場として相応しい設計を目指しています。



その他、現在検討中のもの

1号公園について

施設と公園の一体管理を行うために、「劇場施設から遠隔操作で照明などの機器を使うことができるか」など具体的なレベルで設計会社と相談しているところです。

スロープからデッキに変わる部分の下にはトイレを設置する予定ですが、警備・防犯に配慮して設置場所を決める必要があると考えています。

壁面や屋根のデザイン(前述)についてもまだまだ検討中です。

丘の芝生については、姫路駅前広場の前例(設置当初は芝生が弱すぎたので、すぐにハゲてしまった)を踏まえて、芝生の強度を色々検討中です。強すぎると、座り心地が悪かったり、頻繁な芝刈りで維持コストがかかったりします。土日に利用が集中するなら、平日の間にダメージが回復するので、弱めの芝生でも良いかもしれません。



外堀川について

「播磨の歴史に根ざした交流拠点」という観点からも有効に活用したいのが外堀川です。

もう少し上流の神屋町あたり(大阪ガスのところ)には河川公園がありますが、1号公園と外堀川の関係について整理する必要があると考えています。

しかし、雨水が流れ込むところでもあるので、大雨の後にはゴミが浮いていたりするのが課題と聞いています。



隣接の県立病院(建設予定中)について

景観に配慮したデザインになるよう、県に要望しています。

具体的なデザインについては、まだまだこれから…というところです。



その他のやり取り

Q.播但線の高架下も活用されるのか?

A.JRと相談中ですが、先方のあることなので…



Q.外堀川の管理は姫路市?(河川公園をつくる案に関して)

A.兵庫県の管理です。



Q.木の選定はするのか?(森林公園・憩いの森に関して)

A.これから選定します。扱いやすい樹種(メンテナンス面で)が良いと考えています。



Q.指定管理者はプレオープンから入るのか?

A.条例制定を行い、その後で募集することになりますが、指定管理時期は検討中です。



Q.管理事業の内容(劇場施設・MICE施設・公園…)が多岐に渡っているが、単一の指定管理者の手に負えるのか…?

A.単一の会社、またはJV(共同事業体)になると思っています。



Q.近くにできる学校って?

A.医療系の専門学校が入ります。生徒数400名くらい規模の学校ですので、昼休みなどに施設や公園を憩いの場として使用されるかもしれません。



Q.大会議室(4階)でミニコンサートを行う場合などは、グランドピアノを運び込むことは可能?

A.グランドピアノは分解すれば可能ですが、アップライトピアノであればそのままで搬入可能です。間仕切りを外して広く使用する場合、通常の高さでは圧迫感があったりプロジェクターが見難くなるので、この部分だけ天井を高くしています。(そして連立天守のような外観に)



Q.学生用の安い最後列や立ち見席などを設けることはできる?

全体を見て舞台を勉強したい若者や、ぶらりと来て軽く観たい人など、様々な人が利用しやすい仕組みを作ってほしい。

A.研究していきます。



Q.劇場に花道は設置するか?

A.中ホールは座席を一部取り外すことで仮設花道を付けられるようになっています。また、大ホールは両袖前にも斜めの花道があり、利用するときだけ壁が動く仕組みです。



Q.屋根の緑化はコストに見合うのか

A.新幹線からの目線、「みどりの拠点」、コンベンションホールの空調効果…などを考慮した結果、緑化を行うことにしています。樹種や置き方については、まだまだ研究しているところです。



Q.施設を周遊するような遊歩道はある?

A.公園の周囲に周回できる道を設置する予定です。



Q.深夜営業をなんとかできないか?

平日の仕事帰りの人が立ち寄れる時間に興行が行われる街であってほしい。21時に閉館してしまう施設では、20時に開演する公演は難しい。

A.コストの面でかなり難しいです。

(後日重ねて必要性を説いた結果)利用申請時など事前に申請があって「その日だけ」「小ホールだけ」というようなことであれば…延長料金で対応できるようにする方法など研究していきます。



Q.利用申請のタイミングについて改善して欲しい

「財団などに出す助成金の申請と劇場利用の予約の締め切りが前後する状況を解消して欲しい」という市民の声が(この会議に)届いています。助成金申請したあとで劇場が抑えられなかったり、劇場を抑えたあとで助成金が降りなかったり…というのはナカナカ大変。

A.研究します。

あと、行政が先に抑えてしまうのは辞めてほしい。

A.(苦笑)



市政出前講座(後半)

市内外への情報発信の場としての活用について

ラジオ・テレビ局のサテライトスタジオを設置できないだろうか

グランフェスタのラジオスタジオがなくなったのは、行政のサポートが薄かったからでは?

市民サロンの具体的な活用方法の1つとして検討できるのではないか。

KissFM KOBEも神戸新聞も、神戸とは名ばかりで、実際には播磨・但馬に向いてる。



練習室をYouTube配信などに便利なネット環境や背景壁を用意することはできないだろうか

スマホでそれなりの動画撮影ができる時代。背景壁とネット画像とちょっとした照明があれば、簡単なPVくらいは撮れるだろうし、コスチュームプレイ愛好家の撮影スタジオにもなりうるかも。



館内設備・施設について

エレベーターについて

館内中心部のエレベーターは、大ホール内の1・2・3階席を結ぶと同時に楽屋エリアにもつながっているが、警備の面では良くないのでは?

停止階を臨機応変に制限することで対応する予定です。また、エレベーターの設置場所や大きさについては、現在も変更・改善の検討を行っているところです。

施設4階(大会議室があるところ)と大ホール3階(3層)が連絡されているので、全体利用の場合はステージの演出(出演者が客席に登場するなど)や荷物の移動、非常時の退去などがしやすい構造です。



高級感とコスト

内装の特徴は?

内装のデザインは、兵庫県立芸術文化センターや大阪のフェスティバルホールを設計した設計者が行っています。

大小さまざまな会議室があり、大会議室と小会議室を連携して利用できるような、高い自由度を維持しています。また、特に4階については、そのような利用(小会議室との連携)に適した廊下&部屋のレイアウトへの変更を検討しています。

経験豊富な設計者は安心だけど、コストは?

他市のホールは、工事中に物価が高騰したため建設費も上がり、施工中も(機能性を残したまま)細かく経費を削っていったようです。

あまり高級感があると落ち着かない人もいるかも。でも、特別感は欲しい。

共用廊下(施設中央の劇場と展示場の間)については、格調高くすべきかどうか等、様々な意見があります。



その他

セキュリティとかは?

セキュリティや空調は、集中管理室から一括でできるような仕組みを考えています。公園も一体的に管理する場合は、工夫が必要であると考えています。

また監視カメラに関しては、色々意見が出ています。トイレの前などに露骨にカメラがあるのは嫌がられますが、一方で防犯上は重点的に監視しておくべき場所の1つでもあります。



座談会(ディスカッション)

行政への提案

市民が「自分たちのもの」と認識しやすい施設であるために

姫路城改修工事時の「姥が石」募金のように、市民からの寄付を募ってはどうだろうか。一定額の寄付をした市民の名前を刻んだネームプレートを劇場に設置するなどをすれば、彼にとって「誇らしい建物」となるのではないだろうか。もしくは座席票(2階3列15番などが書いてあるプレート)の下に「この座席は田中太郎さまの寄付によって設置されました」と刻むとか。

あるいは、公園や森に植樹を(学校単位などで)行い、「○○小学校の樹」のようなプレートをつけるとか…

市民が我が事として新施設を捉えられるよう、何らかの方法で「僕らの劇場」感を生み出す必要があるのではないだろうか。



ムクドリの対策はどうなっているのか

姫路市街地では十数年ほどムクドリ対策に明け暮れてきた歴史がある。最近は、ムクドリが嫌がる音(大型の肉食鳥の鳴き声?)を出す方式である程度の成果が出ているようだが、人間にとっても好ましい音とは言い難い。市民が心地よく過ごしたり来場者をもてなすはずの森が、糞まみれになったり、鳥よけ音がけたたましくなり続けるようでは、とても残念。このあたりについて、よく検討して欲しい。



市民の文化団体でやるべきこと

劇場利用のシミュレーションを行う

行政や(文化国際交流)財団におんぶに抱っこでは行けない。

「2000席は持て余す」「○○装置がないと良い舞台ができない」「あれつけろ、これつけろ」と言うのは簡単だが、ひとまず大ホールや中ホールを使って何らかのイベントを開催することを想定した企画書を作ってみてはどうだろうか。

そうすれば、より具体的な課題(例えば、宣伝告知が1200人以上呼び寄せられるほど行えないので、2000席の劇場をちゃんと埋めることができない…とか)が分かるのではないだろうか。

その上で、行政や財団に対して「○○をやりたいが、○○の部分が足りない。この部分を支援して欲しい」と言めば、袖にされることも(ないかもしれ)ない。

記録
伊勢田 駿佑
文責
月ヶ瀬 悠次郎
資料
議事録