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第7回座談会・記録ノート

公開日時 : 2017年10月07日

2017年09月27日[水] 19:30より、姫路城下町ギルドにて開催されました。「創造都市戦略と劇場施設」をテーマに「姫路市に相応しい都市戦略とは何か」「文化と産業の横断的政策と劇場施設」について、龍谷大学研究員の立花 晃(たちばな あきら)氏と共にディスカッションしました。

創造都市戦略と劇場施設

前半は、前回の内容を軽くおさらいしつつ都市戦略と連携した劇場施設の在り方について意見交換を行いました。



挙げられた主な意見

病状や治癒法を検証することなく、いきなり外科手術を始めるような無理な政策は、必ず失敗すること。

必ずしも全てを数値化できないにしても、感情論や雰囲気で判断するのではなく、ある程度の具体的なエヴィデンスが必要であること。

過去の成功例・成功体験に依存するのではなく、将来の「危機回避」や「レジリエンス(回復力)」を十分に備える必要性があること。

今のところ、姫路市では優秀な人材が活躍できる場を提供できていないこと。

「姫路らしさ」を失うほどライフスタイルを捻じ曲げるような革新では、継続性・一貫性が期待できず、労多くして功少なくなる可能性が高いこと。

行政には、直接的に市民活動に介入するのではなく、市民活動を後押しするような振る舞い方が望ましいこと。

都市戦略を明確にすることで、文化活動の目的意識が明確になること。

文化の醸成は、実りが得られるまでには時間がかかること。



その他、立花氏からの指摘

「第四次産業革命」と呼ばれるAI時代の到来において市民が正しく状況を把握することの大切さ、あるいは「カイゼンのムダ/ムダのカイゼン」についての指摘がありました。



座談会(後半)

9月19日(火)の姫路市議会「イベントゾーン整備特別委員会」に関して

先日の特別委員会を傍聴した参加者より、委員会で行政が説明した進捗状況について話がありました。(次回の座談会にて直接、市役所の担当者よりお話しいただくので、内容については割愛します)



市民ひとりひとりが自分のこととして問題を捉えること

市民は無責任に要望を述べるだけではなく、「こうすることで姫路市全体の利益になる(コストを正当化できる)」と根拠と責任を携えて発言する必要がある。

行政の中と外(市民)とで責任の押し付け合いをしていても仕方がない。

「個人→市」というのは非効率。「家族→隣保や町内→…→市」という風に小さい組織から意見を集約していく動きが必要だ。



市民が何を求めているのかを、市民自身が知ること

細かい各論(「エアコンが寒い」だとか「子供用の厚い座布団を置いて欲しい」だとか)からいきなり始めるのではなく、大きな枠組みから順番に考えていく必要があるのではないか。そのためには、行政に求めるように、都市戦略レベルまで見通せる広い目を市民自身も備えておかなくてはならない。

そうやって、市民が劇場施設を「手段として」捉えることができるようになれば、「○○○という成果が得られることが見込まれる△△△を行うために、□□□を設置して欲しい」という説得力のある提案ができるのではないか。(行政に□□□を設置させること自体が目的になってしまっては、本末転倒だ)



SWOT分析


SWOT分析
SWOT分析

立花氏よりの提案で、実際にSWOT分析を行いました。

参加者が最初に上げたものを軽く分類したものが、以下の通り。

行政の欠点よりは、市民の意識の低さの方に矛先が向き始めています。



市民の意識

決して存在しないわけではない「才能がある若者」を活用できない状況を改善すべき。「活躍したければ東京に」という文化を変えていかなければならない。



市民(特にパフォーマー)の意識

プロ意識(お客さんからお金を取ってパフォーマンスを見せる)をもったパフォーマーも少ない。お金を払って発表する趣味レベルから育っていない。

姫路で活動している文化団体に「自分たちが大ホールを使って興行を行う」ことを想定した具体的な企画書を書いてもらうのはどうか。そうすると「今は○○が足りないので」大ホール公演を行えない、と行政にも文化団体自身にも明確になる。

良い劇場より、良い市民を作ることが大切。今回の施設は、そのキッカケになりうる。



その他の議論(Q&A)

2000人規模のイベントが頻繁に行えるのか

かなり難しい。現状では、姫路市文化センターをいっぱいにするのは年1回あるか無いか。お金をちゃんともらって活動しているプロは少ない。ちゃんとしたプロがいないから、プロが育たない。



SCC(スーパークリエイティブ・コア)の見つけ方は?

奪い合いになるだろう。優秀な人間はたまたま産まれるが、それをどうやって囲い込むかが重要。「スーパー公務員(偶然現れた超優秀な公務員)」が成功させる事例があっても、話し合いで成功した例はない。自分と異なる意見が採用されたあとで、協力することなく、むしろいつまでも足を引っ張りつづける文化。

城下町は武士がSCCを守ってきた文化。町民を大事にしてきた歴史を、今の自治会は理解していないが。

SCCが自由に発言できる社会が大切。



なぜSCCが街から消えたのか

エヴィデンスのある評価基準を持たないユーザーが決めるように(WEB口コミなど)なってきた結果、店がユーザーに媚びるようになってきてしまった。

人々がサービスの概念を勘違いしている。求めに応じるのがサービスなのに、相手の欲しがるものを先回りして用意する美学を指すようになってしまっている。



根本的な解決

他者を尊敬できる社会に。つまり他者への無意味な妬みを捨てること。結果、何につけても文句を言うだけの無責任な人を減らさないとダメ。



これまでの座談会を集約する必要がある

ある程度、様々な角度から議論が行われてきたので、このあたりで意見の取捨選択を行ってはどうか。

編集者の裁量にある程度の解釈・判断を委ねなくてはならなくなるが、極端に恣意的な編集になった場合にも、叩き台として評価する材料にはなる。

記録
伊勢田 駿佑
文責
月ヶ瀬 悠次郎