ひめじ芸術文化創造会議 のWEBサイト

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第5回座談会・記録ノート(後半)

公開日時 : 2017年09月06日

2017年08月30日[水] 19:30より、姫路城下町ギルドにて開催されました。後半は特に劇場の音響・照明・搬入について具体的な提案が行われました。

舞台スタッフ(舞監・音響・照明…)に優しい劇場づくりが大切

「良い劇場」の指標の一つに、舞台スタッフにとって使い勝手の良さがあげられる。



音響・照明について

反響板の形状

反響板は4枚(左・右・上・奥)に分かれるタイプか、蛇腹アーチ型か知りたい。

もし蛇腹型ならステージ奥に収納スペースがかなり必要になり、他の道具類を収納するスペースが不足するのではないだろうか。

反響板を使っても、生音でやるなら(編成にもよるが)1000人規模のホールが限界。それ以上になると、電気的に増幅する必要がある。



これからの音響機器は200V対応

兵庫県立芸術文化センターは、先般、音響と照明を大幅にバージョンアップしたそうだ。音響機器については、200V対応を謳っている。

海外では200Vが標準だが、日本では100Vが今のところ標準。しかし、200Vの機器を使うことで「素人耳にも明らかな」音質の向上が見込める。

100V・200Vをスイッチできるようなシステムはそこまで高額ではないはず。少なくとも、100Vベースで作られた大中小ホールの音響システムを柿落としから5〜10年ほどで早々に総替えしなければならなくなる可能性を考えれば、十分に正当化できる金額になるだろう。

200V機器に対応することで、「音質の良い音楽ホールを作ろうとしている」感を内外に発信できるはず。



新型LED照明のススメ

白熱灯に比べて劣っていた部分(なめらかなフェードイン/オフ)が改善されたタイプのLED照明が出始め、照明スタッフたちにも好意的に受け入れられているらしい。

兵庫県立芸術文化センターは、先般のバージョンアップでこの新型LEDを取り入れたらしい。

消費電力(光熱費)や発熱のことを考えても、白熱灯よりはLEDをメインに照明を考えるべきだ。

パルナソスホールの照明はLEDに変わる/変わったようだ。

10年後、30年後…のことを考えると、技術進化の方向性は正しく把握しておく必要がある。



どうせ兵庫県立芸術文化センターに倣うなら…

20年前の兵庫県立芸術文化センターを模倣するよりは、今の兵庫県立芸術文化センターから学ぶべきだ。

稼働率9割を超える脅威の劇場から学ぶべきことは多いはずだ。

※後日、市役所の大前さんに問合せたところ、反響板は「4枚に別れるタイプ」が採用される予定とのこと。また、「200V対応音響と新型LED照明については早速担当者に確認します」とのことでした。



舞台機構について

オーケストラピット

堀り込みになるのだろうか。オペラやバレエでは十分な(指揮者が肩まで隠れる程度の)深さがないと格好悪いが…



綱場

バトンがあるので舞台袖はかなり広さ必要。

そもそも、舞台袖や裏はいくらでも広いに越したことがなく、日舞関係者の言うような早変わり用の楽屋で場所を取られるよりは、綱場や物置き場として利用したいのが裏方の本音。



レイアウトについて

搬入・搬出

搬入口が2枚扉になっていないところ(中ホール下手・大ホール下手)があり、公演中の搬入・搬出が困難。複数の団体が共同で行う出し物では、終わったところから搬出することもありうる。



ピアノの動線

ピアノ庫から小・中・大ホールそれぞれに動かすことを考えると、その度にピアノにダメージを与えることになる。できるだけ動かさずに出せるようにしておきたいが…

コンベンションの大会議室でコンサートを行うようなことを想定するなら、ピアノを運び上げるためのEVが必要だが…



舞台の個性

欠点を利点に変えるのも演出家の仕事

「あれがないとできない」「これがないからできない」という言い訳をするよりは、「これならこれができる」という発想をどれだけ出せるかが演出家の腕の見せ所。それができれば、欠点は個性に変わる。



多くの人が共有できるところを探す

それぞれの業界が共通して必要としているものは何か。

最大公約数を目指しすぎると特徴がなくなるが、今回のホールに特徴が必要かというそもそも論。

バレエでも音の悪さ(そもそも、大抵は生演奏じゃなくて録音だし…)にがっかりすることが多い。

音響が良くて困る業界はないので、前述の「200V機器」の提案は、誰にとっても有益な良い提案ではなかろうか。



誰にとって「良い劇場」であるべきか

市民は演者か観客か

「市民活動の場として私たちが使うこと」と「国内外の一流プレーヤーを招聘すること」とでは、それぞれにかかる比重はどの程度だろうか。

外7:内(市民活動)3程度ではなかろうか。

外から来るプレーヤーに対して失礼があってはならないし、同時に市民が使わないものに極端にコストを掛けるべきでもない。その辺のバランスについても今後は議論を深めたい。



街のブランディング

大ホールは多少オーバースペック気味でも、街のブランディング経費だと考えれば、そのコストは正当化できないだろうか。



姫路・播磨の風俗・文化と連動させる

播磨エリアの伝統芸能

歌舞伎には播磨を題材とした物が多くある。全国的に見ても多い方。

検番という仕組みが近年まであり、日本舞踊や歌舞伎を見る目を持った人も多かった。



市民が何をやりたいのか/何を見たいのか

「そこで何を演りたいのか」を伝えずに「良い劇場を!」と言われても、行政が困るだけというのは理解できる。一方「建ってもいない劇場で何を演るか」と言われても、今ひとつピンとこない文芸人の立場も。このあたりは、擦り寄り・歩み寄りが必要そうだ。



播磨広域で戦略的に考える

周辺自治体との機能分担

日本全体で人口が減少し、過疎化が進む周辺の自治体が大きな劇場をそれぞれに抱えることは非効率。「周辺自治体は500〜600席前後の中ホールを自前で持ち、1000席規模の劇場を姫路市が持つ。そして必要なときは姫路に来て使ってもらう…」というのが効率が良さそう。

場合によっては、深夜バスを出して帰りの足を確保することもできるかもしれない。姫路市としては、宿泊客を増やしたいところではあるが、そこまでの無茶も言えないだろうし(笑)



小ホールにも注目

舞台袖がない

子供のピアノ発表会などに使うには、次の出番の子供が待機するところがない。

イーグレ地下のアートホールのように、左右にカーテンで簡易の隠れ場所をつくるような提案をしてみてはどうだろうか。



その他の設備

外観・内装

日建設計さんに丸投げ状態?とくに、内装・内部構造について、もっと色んな意見を聞く(セカンドオピニオン的な…)必要があったのじゃないかしら。

いまからでも、姫路市民から劇場の外観や内装について提案できないだろうか。



駐車場は有料か?

おそらく有料。ただ、練習室を頻繁に利用することを想定した軽減措置などは講じられるべき。そのあたりは関連の条例が良くできるように市議会にも働きかける必要がありそう。



駐輪場

駐車場の横に併設されるはず



託児所

設置されないことはなさそう。将来、何かが必要になった時に「じゃあこの部屋をそれにしましょう」といえるような予備室のようなものを作っておきたいような空気は感じられるが、託児所もその一つかもしれない。



この会議について

どのくらい認知されているのか

Facebook記事のリーチは1000人前後、会議の参加者は12〜13人程度。

(担当:月ヶ瀬)参加者をもっと増やしたいという思いと、多くなると集約が大変そう…という思いとの間で板挟みですが(笑)、とにかく市民に広く知っていただく必要があるには違いありません。前回はついに20人以上の参加がありましたが、良い傾向だと思っています。このままコアメンバーがある程度決まってきて、そこから枝分かれ…派生的に連鎖して、この会議の思いというか、空気感のようなものを伝えていってもらえたらと思います。



いつまでやるのか

(担当:月ヶ瀬)10年、20年…という単位で続けていけたらと思っています。当座は新施設についてがテーマにはなりますが、この会議は「文化芸能に関わる人たちが(互いの好き嫌いは別として)同じテーブルにつく機会を作る」ということが第一の目的ですから、劇場施設が建ってもお役御免にはならないと思います。



姫路駅北広場の成功例に倣う

市民が、(ワガママではなく)きちっとした具体案を提示すれば、変更は可能。

市政・県政と連携しながら具体的な提案ができるような市民がこれからは必要になる。



私たちは姫路市のお客さんではない

行政や財団をやっつけるための集まりではなく、協力しあって街を改善していくことを目的としています

(担当:月ヶ瀬)特に舞台関係者が行政に対して他人事のように「あれを付けろ」「これを付けろ」と注文をつける姿を見るのは非常に心苦しく思います。むしろ、行政と協力して良い劇場に仕上げることで、みんなの税金を使うことを私たちは正当化しなければならないのです。ですから、そろそろ要望や要求というよりは意見や提言、「私はこうして欲しい」ではなく「こうすればみんなが幸せになれる」という話をしましょう。

記録
伊勢田 駿佑
文責
月ヶ瀬 悠次郎
資料
議事録