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ひめじ芸術文化創造会議

公開日時 : 2017年08月31日

2017年08月30日[水] 19:30より、姫路城下町ギルドにて開催されました。「良い劇場とは…?」ということをテーマに、様々な視点から意見交換を行いました。

これからの議論の進め方

ハード面から詰めていきたい

ハード面とソフト面の意見があるが、椅子をゆったりさせ席数を減らす、ホワイエを広くする、などのように、日常的に使うハード面の意見からあげてほしい。

ソフト面については、もう少しあとから議論しても問題はない。



さまざまな目線が必要

良い劇場の定義は、「観る」「演じる」「プロデュースする」人によって変わるため、それぞれの目線で議論する必要がありそうだ。



観客にとっての良い劇場

快適な環境

快適に公演が観られる劇場が良い劇場なのではないか。



意識させない環境

劇場のことを意識しない劇場が、良い劇場なのではないか。



演者や演出家にとっての良い劇場

どんな劇場も一長一短

今回はクラシックのコンサートに比重を置きつつ、汎用性を高めているようだが、どのみち誰かにとっては使いづらい部分は出てくる。



短所を長所に変え、特徴を活かすのが演出

個性的な劇場を魅力に感じることもある。「渋谷ジァン・ジァン(小劇場)」「青山円形劇場」「新宿シアターモリエール」などは特徴的な劇場レイアウトだが、それが客にとっては味になり、演者・演出家にとっては良いチャレンジになった。



極端に特化できない事情も

劇場をたくさんつくるわけではないので、あまり特化もできないらしい。



興行主にとって良い劇場

警備

これまでに「タレントの警備を考えると開放的であれば良いということではない」という意見を投げたが、これについては行政の方でも具体的な検討が始まっているようだ。



舞台装置・設計について

提案の仕方

単に「スッポンをつけて欲しい」などと言うよりは「姫路ゆかりの演目である○○○○をやりたいが、それにはスッポンが必要だ」というような根拠を添えるやり方が良さそうだ。

新作歌舞伎「天守物語」とか作っても良いかも



裏方の意見も聞くべき

演者が使いやすい以前に、裏方の方が動きやすい設計にする必要がある



舞台袖の広さや奥行き

設置される反響板が筒状のものであるならば舞台の奥行きが必要になるし、バトンの数も結構なものになるだろうから袖の綱元(綱場)もかなり必要になるだろう。そうすると、今の図面でも「広くて持て余す」ということはない。



倉庫など

倉庫がまだ少ないかもしれない。そろそろ具体的にどこに何を置くのかということを想定していくべき。スピーカー、マイクケーブル、平台、箱馬…



ピアノ庫

湿度管理のために集中管理する必要があるのだろうが、大・中・小ホールいずれに持っていくにも結構な距離を転がす必要があるのは、望ましくない。



新劇場の目指す方向性

市民にとっては観る場所であり、演る場所であり

有名な一流のものが来れば市民が客席に満ち溢れる…というものでもない。

市民の文化団体の発表の場としての劇場と、一流の(外からの)文化に触れる場としての劇場。その比率はどの程度になるだろうか



必ずしも黒字を目指すことだけが劇場施設の在り方ではない

黒字が出るものは民間が勝手に作る。むしろ、赤字になってでも市民にとって有意義な施設であるべきだ。

もっと市民にとっての利便性、使いやすさに重点を置いて設計してもよいのではないか。



文化振興

発信力の強化

行政や財団などに丸投げするのではなく、市民レベルでできることを探していく必要がある。

姫路に、新聞局やテレビ局などの大きなメディアがないことも問題の一つ。

情報を集約して発信する場所があれば理想的だが、行政などは各部局に分かれる縦割性。「文化」が教育と観光に分かれてしまっている。

市民・行政・ビューロー・財団…が連携・協力して情報発信を行う枠組みが、具体的な検討に入りつつあるらしい。

まちづくり財団のように、新劇場運営のための新規団体を立ち上げるのが良いのではないか。



音楽のまち・ひめじ

実態がないまま、枠だけを先に作ってしまったので、空回り感がある。

バークリー音楽大学の卒業者も姫路に5〜6人居るが、行政が積極的に彼らを支援・活用していない。そもそも、彼らの存在を知らないのかも。



劇場規模

小野市の状況

小野市では2000席劇場が活用されないまま閉館してしまった実例がある。小野では300~400席規模がちょうどよい。

周辺の自治体と連携して、「大きなホールを姫路のものを活用してもらう。地元では小さなホールだけを維持する」ということにすると、お互いにロスが少なくていい。



劇場の稼働現状・データ

稼働率と充席率

姫路の劇場での稼働率はバレエが一番高そう

どのホールでどのような演目が行われ、何人の集客があったというデータがないため、データベースでの議論ができない。



データを取る大切さ

データを元に政策を決めることで無駄が省かれるはずだが、行政の内外で理解が進んでいないのでデータ収集に予算がおりない現状。

主催者も劇場も、「都合の良い」データだけを残したがる風潮がある。



姫路市文化センターという名のラビリンス

迷路のような複雑な動線

姫路市文化センターを年二回ほど使うのだが、廊下が迷路のようだ。

舞台装置などの図面に出ていないスペースが必要で、複雑な動線になったのではないか。装置や収納場所などの要望を出せば出すほど、設計は複雑になるもの傾向がある。



リハーサル室

リハーサル室がホールと同じサイズで用意されていることは素晴らしい。

記録
橋本 英司
文責
月ヶ瀬 悠次郎

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