役員の活動/法要・上映会・講演『チベットを知り、祈ろう@大阪 2026』
公開日時/2026年03月16日

文:月ヶ瀬悠次郎 
2026年3月14日(土)、金光教大阪センター・AMホール(大阪市中央区)において、宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会主催、ひめじ芸術文化創造会議協力による法要・上映会・講演『チベットを知り、祈ろう@大阪 2026』が開催されました。
2026年3月14日(土)、金光教大阪センター・AMホール(大阪市中央区)において、宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会(略称スーパーサンガ、以下「SS」)主催、ひめじ芸術文化創造会議協力による法要・上映会・講演『チベットを知り、祈ろう@大阪 2026』が開催されました。当日は、法要、映画上映、講話、講演、展示を通じて、チベットの平和と人間の尊厳について祈りと学びを共有する集いとなり、役員・関係者・スタッフを含め40人超が参加しました。司会進行は、SS事務局長・大西龍心師が務めました。
大西事務局長が開会を告げたのち、SS代表・上田尚道師(高野山真言宗)を導師として、諸宗派の宗教者が列座のもと追悼法要が厳修されました。法要では、1950年の中国軍による侵攻、1959年のチベット民族蜂起とその後の弾圧・亡命の歴史をふまえ、過去六十余年にわたる犠牲者を追悼するとともに、ダライ・ラマ法王の長寿やチベット民族の悲願成就、チベットの平和を祈念するという趣旨の表白を上田代表が読み上げました。また、法要の前後には田中利典副代表(金峯山修験本宗)のお弟子方による法螺の音が会場に響き、宗派を超えて祈りをともにする本会の趣旨を象徴する場面となりました。
法要後には上田代表が挨拶し会の活動を報告、また2026年3月12日(木)にご遷化されたスーパーサンガ初代代表・川原英照師(蓮華院誕生寺貫主)を偲びました。川原師は、認定NPO法人れんげ国際ボランティア会を率いて長年にわたりアジア各地で教育・福祉を中心とした国際支援に尽力されるなか、仏教国である日本の宗教者としてチベットの現状を看過してはならないとの問題意識を深められ、SS発足の契機を築かれた方でもあります。上田代表はその歩みを振り返り、挨拶の結びとして参会者一同で黙祷を捧げました。続いて、元衆議院議員・杉田水脈氏が短く挨拶を行い、その後、ドキュメンタリー映画『チベットを決して忘れない〜知られざるダライ・ラマ物語〜』が上映されました。約90分にわたる同作品は、ダライ・ラマ14世の亡命の経緯を軸に、チベット仏教の歴史と文化、亡命社会の歩み、女性教育や尼僧院設置の取り組み、チベット医学の継承、さらには現代のチベットをめぐる人権・文化・環境上の諸課題までを多面的に描く内容であり、もともとチベットやチベット問題に関心の深い参加者にとってもその理解を深める貴重な機会となりました。
上映後は、田中副代表が講話『チベットと私〜20年前のチベット紀行〜』を行い、2006年に訪れたラサ、ギャンツェ、シガツェなどでの見聞を、当時撮影した写真を交えながら紹介しました。現在では、SS役員の中にあっても実際にチベットを訪れた経験を持つ者は限られており、現地に立ち入ること自体も以前に比べて容易ではありません。その意味でも、田中副代表による実地体験に基づく報告は、映画で描かれた歴史や宗教文化、社会の現実を立体的に受け止めるうえで、たいへん意義深いものとなりました。講話は、柔らかな語り口のなかに旅のエピソードや軽妙なユーモアも交えつつ、要所では歴史的・宗教的背景を的確に押さえる内容であり、参加者を引き込む時間となりました。
続いて、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所(チベットハウス・ジャパン)のアリヤ・ツェワン・ギャルポ代表が講話を行い、現在のチベットの状況や亡命チベット社会の活動について報告しました。その中では、ダライ・ラマ法王が掲げる「人間的価値の促進」「宗教間の調和の促進」「チベット仏教文化の保全」「非暴力と慈悲の知恵を現代社会に生かすこと」という四つの使命が示され、チベット支援の意義があらためて語られました。また、チベットハウスが中心となって、ダライ・ラマ法王90歳を記念した長寿祈願の企画として日本各地で陽光桜の植樹を進めていることが紹介されました。3月11日(火)には長野市内のチベット宝篋印塔において、宝篋印塔奉賛会が毎年実施している平和記念法要の中で陽光桜の植樹祭が行われ、SS長野チームもこれに参加し、アリヤ代表と大西事務局長が現地に赴いたことが報告されました。あわせて、会場には同事務所が全国で実施しているポスター写真展の一部も掲示され、ダライ・ラマ14世の歩みや国際的な活動、チベット文化の継承に関する理解を深める展示となりました。
閉会にあたり、SS顧問・三宅善信師(金光教)は、会場となった金光教大阪センターとの不思議なご縁に触れつつ、映画でも繰り返し示された「慈悲(compassion)」について、それは静かな感情ではなく、情熱を結集し、その気持ちを積極的に伝え、広げていく実践であると述べました。そして、参加者に対し、チベットの現状やこの日に得た学びを、それぞれの場で発信してほしいと呼びかけ、会を締めくくりました。なお、今回の開催にあたっては、三宅顧問が会場面でも尽力され、催しの実現を支えられました。
当会からは、月ヶ瀬悠次郎代表がSS幹事として運営・事務を担当し、上田成昭幹事が記録撮影のほか、映像投影機材の操作や進行補助にあたり、催しの運営を支えました。追悼法要、映画上映、体験講話、現況報告、展示が相互に響き合う構成のもと、川原師を偲びつつ、チベットの平和と人間の尊厳について静かに思いを深めるとともに、その学びを今後の行動へとつないでいく契機となる一日となりました。

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