役員の活動/書籍『民族自決と非戦——大正デモクラシー中国論の命運』
公開日時/2024年10月25日
文:月ヶ瀬悠次郎
2024年11月11日、月ヶ瀬悠次郎代表が編集・造本・組版を担当した書籍『民族自決と非戦——大正デモクラシー中国論の命運』(著:高井潔司)が集広舎より発売される。
2024年11月11日、月ヶ瀬悠次郎代表が編集・造本・組版を担当した書籍『民族自決と非戦——大正デモクラシー中国論の命運』(著:高井潔司)が集広舎より発売される。
本書は、戦前(明治・大正・昭和)の中国論、特に桜美林学園の創始者である清水安三を中心として取り上げながら、現在の中国論の「侮蔑的視点」を批判的に論じた一冊である。
- 書名
- 民族自決と非戦——大正デモクラシー中国論の命運
- 著者
- 高井潔司
- 発行
- 集広舎 〔WEBサイト〕
- 発売予定日
- 2024年11月11日
- 製本
- 上製/A5縦/408ページ
- ISBN
- 978-4-86735-054-6 C0021
- 価格
- 4,400円(税込4,840円)
本書についての月ヶ瀬代表のコメント
近年、日本の低迷に比例するように、独善的な中国論やアジア論が目立つようになってきたと著者は指摘しており、私も同じ感覚を抱いています。特に保守界隈からは、競争相手(中国)の力量を極端に軽視し、願望や夢想を現実と取り違えた議論が多く見受けられます。
政治や社会は、多くの人々の行動によって形作られるものです。そのため、ある時代や情勢について「まったく良い」「まったく悪い」と安易に結論付けるべきではありません。どちらの立場の人にとっても、良い点も悪い点もあったはずです。
本書は、戦前の日本の対中姿勢(および、その影響を引き継ぐ現在のそれ)について、基本的には帝国主義的・侮蔑的なものであるとして批判的に論じ、当時の思想家やメディアの動きを掘り下げています。しかしながら、指摘されている課題や功績、そして現代への警鐘は、どの思想的立ち位置の人も耳を傾けるべき内容だと思います。
本書の主要な登場人物である桜美林学園の創始者・清水安三は、聖書の一節(コリント人への第二の手紙 4章8節)を引用して「詮方尽くれども、望みを失わず」と述べたそうです。私たちも、より良い明日を作るために「できることが尽きるまでやり、そのうえで希望を持って」強く生きていかなければなりません。
本書もまた、未来につながる貴重な一冊であり、関わらせていただいたことを光栄に思います。
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