公開シンポジウム『未来社会を望む“AIと討論”人類の進化へ』聴講

公開日時 : 2023年07月16日

公開シンポジウム『未来社会を望む“AIと討論”人類の進化へ』聴講 - メインビジュアル

文:月ヶ瀬悠次郎 月ヶ瀬悠次郎

2023年7月15日(土)13:30から大和大学アリーナ(大阪府吹田市)で開催された公開シンポジウム『未来社会を望む“AIと討論”人類の進化へ』に、当会幹事の立花晃大和大学准教授の誘いを受け、月ヶ瀬悠次郎代表と上田成昭幹事が参加し聴講した。

2023年7月15日(土)13:30から大和大学アリーナ(大阪府吹田市)で開催された公開シンポジウム『未来社会を望む“AIと討論”人類の進化へ』に、当会幹事の立花晃大和大学准教授の誘いを受け、月ヶ瀬悠次郎代表と上田成昭幹事が参加し聴講した。


7名の有識者による豪華なパネルセッションとなった
7名の有識者による豪華なパネルセッションとなった

前半は小川航平氏(日本マイクロソフト)、松田雄馬氏(AI・脳科学者/大和大学情報学部特任教授)、青木保氏(元文化庁長官)の有識者3名による基調提示が行われ、後半は王向華氏(香港大学)、玉川弘子氏(大阪商工会議所)、佐々木成三氏(元埼玉県警刑事)が加わって6名によるパネルディスカッションが佐々木正明氏(大和大学社会学部教授)の進行で行われた。

 

シンポジウムの進行は、AI生成コメントと合成音声と生成映像による読み上げで行われた
シンポジウムの進行は、AI生成コメントと合成音声と生成映像による読み上げで行われた

小川氏は現在公開されているOpenAIのGPT(GPT-4)を用いたBing AI ChatやMicrosoft 365 Copilot、GitHub Copilotなどを紹介し、「生成型AI」の便利な活用方法について解説を行った。

松田氏は脳の構造(と思われていた)を模したAIの学習プログラムについて解説し、同時に人間とAIの違い(目的意識や自己認識の有無)を明確にすることで、人間の存在意義がAIによって損なわれることがないし、主体的に人生を生きることの重要さに変わりがないことを訴えた。

そして、青木氏はAI活用の素晴らしさを認めつつも、実体験によってしか得られない人生の豊かさについても忘れないよう、若者に警鐘を鳴らした。

 

パネルディスカッションは佐々木正明氏が進行した。「AIなどの機械文明にとって我々の暮らしは便利になっていく一方で本当の豊かさについて考えることができていないのではないか」と問う王氏、犯罪評論家の立場から「自然体験の少なさが若者を犯罪に走らせる傾向がある」とする佐々木成三氏、そして青木氏の三方と、小川・松田両氏の間で、さながら文系と理系あるいは保守派と革新派の対立構造を見せながら(…とはいえ、とても和やかに)、見ごたえのあるディスカッションが繰り広げられた。


趣味部屋のような研究室ではTV取材も数回受けたという
趣味部屋のような研究室ではTV取材も数回受けたという

会に先立っては立花幹事の研究室を訪れ、仕事ぶりを拝見した。

「神父の息子」こと立花晃幹事(左)と「縄文からポケモンまで」の三宅善信師(右)
「神父の息子」こと立花晃幹事(左)と「縄文からポケモンまで」の三宅善信師(右)

また、当会ゆかりの神道国際学会・三宅善信師(青木氏とはハーバード大学時代に縁があったとのこと)にも駆けつけていただき、ともに聴講した後、立花幹事を紹介することができた。

 


月ヶ瀬代表のコメント

ソフトウェアにAIが搭載されることでエキスパートでなくても豊富すぎる機能を使いこなすことを可能にするかもしれないし、ChatGPTのような自然言語による対話型のAIは具体的な専門用語を知らずとも情報を得ることができる点で初学者に学びのハードルを下げることが可能となる。既存の論文を読み込ませて、論点整理を行わせたり要点を抜き出したりもできるので、学生や研究者にとって学習・研究の効率化の点からメリットは大きいといえる。

私自身も実際にChatGPT(GPT-4)やAI生成画像を仕事で活用し、そのメリットを早速享受しているところだから、学生がAIをうまく活用して幅広い知識を素早く身につけることは基本的には大賛成だ。

ただ一方で、効率だけが重視されることには少し懸念があるとも思ったので、シンポジウムの最後の質疑応答の時間に質問させていただいた。「学習効率の側面だけを追いかけていたのでは、例えば、様々なことを知ってはいるが、その全てが表面的で浅く、少し調べればわかるような知識しか持ち合わせていない、所謂『なんでも知っているけれど、なんにも知らない人』が量産されはしないか。汎用的な知識を得ることとは別に、専門的に深く学ぶ方向にAIを活用するアイデアはないだろうか」と。時間の都合で十分な回答をいただくことは難しかったが、私の質問意図は伝わったと思う。

上田幹事のコメント

AIの進化は、話題の中心に位置しており、特定の専門知識を持つ者だけでなく、一般の人々にまで利用範囲が広がってきています。ただし、AIは単に存在するだけで生活を一変させるものではなく、どのように活用するかが重要な要素となります。

知識を求める人ほど、チャットを通じたやり取りが増え、それによってAIは学習し、返答の精度が向上します。インターネット検索などで得られる表面的な知識から、LLMのようなAIが知識の幅を広げてくれるのです。さらに、Microsoftなどの企業もAIを搭載したツールを次々と市場に投入しています。

使い方を理解していれば、作業効率が飛躍的に向上し、個人の生産性も大幅に増加します。それにより、AIを利用しない人々との差が圧倒的に広がることでしょう。ですから、何でも挑戦してみたり、他の人と会話をしてみたりすることをおすすめします。しかし、最終的に重要なのは人間です。

基調講演では、上記のようなAIの活用方法についての講演がありました。これらのアプローチを実践することで、AIは21世紀においても有用なキーワードとなり得るでしょう。

また、AIを使用することでクレーム対応の文章を簡単に作成できるとも言われています。これはクレーム対応が主な業務である人々にとって非常に有益なものです。しかし、クレームを申し立てる顧客が生成AIが文章を作成したことを知ると、逆に怒りを増幅させる可能性があるため、AIの使用が明らかになってしまってはいけないと感じました。人と人の関係において、画期的なAIデバイスの利用には、アナログの存在である人間を自然に組み込むことが重要です。最終的には、人間が重要な役割を果たすのです。

※ この文章は、要点をChatGPT(GPT-3.5)に伝えて書かさせたものです。


出席者(敬称略)
月ヶ瀬悠次郎
上田成昭
立花晃

三宅善信(神道国際学会)
当会管理外の著作権
見出し画像提供/三宅善信師

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