京都研修旅行の開催報告
2020年09月17日

文:月ヶ瀬悠次郎
2020年9月6日(日)に京都研修旅行を行い、京都国立博物館『聖地をたずねて――西国三十三所の信仰と秘宝』展を訪れました。
『聖地をたずねて――西国三十三所の信仰と秘宝』展
2020年9月6日(日)に京都研修旅行を行い、京都国立博物館にて開催中であった『聖地をたずねて――西国三十三所の信仰と秘宝』展を観覧した。

同展には、地元・書寫山圓教寺の秘仏・如意輪観音坐像を始め、播磨地域の寺院の秘宝も公開されており、郷土の文化を学ぶ上でも意義深いものである。
エクスカーション『聖地をたずねて ―― 芸能と観光の聖地』展
鑑賞の後は市内を西に移動した。
芸能神社を併設し、有名芸能人らの奉納した玉垣で有名な『車折神社』(右京区太秦)を訪れ、令和の世にも受け継がれている芸能と神事の結びつきに思いを巡らせた。

また《宗教・文化とインバウンド観光》のメッカである嵐山・渡月橋(右京区嵯峨天龍寺造路町)を訪れた。コロナ禍の最もわかりやすい例の一つでもある「インバウンド観光の激減による閑散」をつぶさに見ることができた。

その後、松尾大社の近くにある単立の神道系宗教法人『神声天眼学会』(西京区嵐山宮町)の倉田宇山師を訪ね、《嵐山・松尾観光の現状》や《コロナ禍下の京都における宗教儀礼と流行病について》、《アメリカ人の宗教観から見た「日本人」像》など様々な意見を伺った。
当会は軍事・宗教・花街をも積極的に研究対象とする側面を持っている。今回は、宗教によって育まれた文化芸術を楽しく学ぶ旅となった。
雑感
今回の研修旅行はレクリエーションの側面が強く、参加者それぞれに楽しんでもらうことが第一義であったが、概ね満足してもらえたと思う。
日頃から私は「姫路市は宗教都市としての側面を隠さず、活用すべきである」と訴えてきた。その点、日本最大の宗教都市である京都を皆で体験することができたのは大変良かった。個人的には、(以前よりの希望通り)車折神社に玉垣を奉納できたこともありがたかった。
個人的に懇意にしていただいている『神声天眼学会』倉田師を訪ねたのは、仲間を紹介し、私自身の地元での活動を知っていただくためでもある。地元(姫路市内)で活動することも大切であるが、それと同じくらい「姫路の方には、何やら頑張っている若者の集まりがあるらしい」ということを地域外の人に伝えていくことも大切だと思うのだ。
台風の接近する中、スケジュールがギリギリまで定まらなかったが、各位それぞれに対応していただいた。この旅を通じて得られた縁を、今後の活動に積極的に活用したい。
参加した委員より寄せられた感想
高巣恵委員(会計)より
明治28年に建てられ重要文化財にもなっている明治古都館の美しさに感動しながら、平成25年に建てられた、噴水の水面に全面ガラス張りの建物が写り込むのが大変印象的な平成知新館へ。

薄暗い館内でほんのりと光を浴びて鎮座する仏像、書物の数々に時間も忘れて見入ってしまいました。
特に印象的だったのは六道思想を描いた六道絵や、参詣曼荼羅図です。描写の繊細さに驚いたのはもちろんなのですが、何百年も前の物だとは思えないほどの色の鮮やかさに、多少なりとも絵を描く立場の私は驚きを隠せませんでした。
眩し過ぎるくらいの朱色に青や緑、金色が重なり、天道への憧れや地獄道への恐れがこちらにも伝わってくるようでとても迫力あるものでした。数々の仏像も大小問わずどれも存在感があり、細部まで渡った高度な技術に仏像に込めた祈りや思いの強さを感じました。
全体を通して感じた事は、信仰心を後世に引き継いでいきたいという思いが、時代、文化が変わっても芸術という形で表現されてきているのだなと思いました。
時を経ても今の私達にまでしっかりと伝わる「芸術」というものは信仰の上でも文化の上でもなくてはならないものだとも思いました。
染井吉乃委員(広報)より
2時間も鑑賞にかかるかな?と思いましたが、滞在時間はあっという間でした。観音菩薩や絵巻物、曼荼羅図等、至宝の魅力溢れる特別展でした。曼荼羅図では絵師の遊び心でしょうか? 同じ構成のものでも、橋の上に弁慶と牛若丸が描かれているものも。美しいものを間近に拝見し、良い刺激を受けました。

車折神社では、まず清めの社で悪縁を落とし、お礼の石をお返しし、新たな御守りを授かり、ご報告と誓いを。そして、今回の参拝ではずっと迷っていた玉垣を奉納致しました。コロナ禍で活動するのが難しいご時世ですが、よりいっそう頑張りたいと思います。
そして旅のラストは倉田宇山師のお話を伺いました。ご自身の過去や体験談など、貴重なお話を伺えました。
今回はお世話になりました。役員としても、表現者としてもまだまだこれからですが、頑張ります。

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