令和2年6月の定例会議
2020年06月18日

文:月ヶ瀬悠次郎
2020年6月10日(水)、コロナ自粛後初の定例会議が開催されました。
2020年6月10日(水)に、コロナ自粛後初の定例会議が姫路城下町ギルドにて開催されました。

副代表2名はそれぞれ不参加でしたが、コロナ禍を経て大きく動く社会情勢について活発な議論がかわされました。
『表現の自由』に関する議論
大村秀章 愛知県知事のリコール運動について
問題となった『表現の不自由展・その後』について、当会は「あいちトリエンナーレのあり方検討委員会」による調査報告書を受け入れ、これによって最終的に適切な判断・処理が為されたものと見なしています。
したがって、「お辞め下さい大村秀章愛知県知事 愛知100万人リコールの会」によるリコール運動について、芸術・文化の面からは批評することはありません。
「ジョージ・フロイド事件」とその後の騒動について
人種差別や暴力への否定は現代の価値観において当然のことであり、芸術・文化に携わる私たちも例外ではありません。芸術の名の元にそれら(差別や暴力)を肯定するようなことはあってはならないことです。
しかしながら、「エドワード・コルストンの像」の破壊に代表されるように、“過去に、当時なりの価値観によって作られた芸術作品や文化的建造物を、後世の価値観によって一方的に否定(批判ではない)すること”については議論の余地がある、と私たちは考えています。
定例会議以降も、建造物の破壊や芸術作品の公開停止などが相次いでいます。
今後も「表現の自由と芸術文化のあり方」については、議論が行われる予定です。
アフターコロナにおける劇場文化
6月3日に金光教泉尾教会(大阪市大正区)にて開催された「国際宗教同志会」講演会※1における弓山達也・東京工業大学教授の提案を元に、アフターコロナ時代の劇場文化の方向性を議論しています。
※1 『コロナ禍中/後の日本の宗教はどうなる』と題して開催されたものを、月ヶ瀬悠次郎代表が聴講。
「(行政からの指示/押しつけを待つのではなく)市民の側から『新しい生活様式』を提案することはできないか」「コロナ自粛を経たことで以前より進化した環境・状況(例えばインターネット環境や公衆衛生意識の高まりなど)の活用とはどういうものか」など、積極的・能動的な議論の必要性を共有しました。
今後も議論を深め、いくつかの具体的なアイデアを姫路市に提案できれば、と考えています。
各委員の活動
『ありがとう』を伝えよう!プロジェクト
月ヶ瀬悠次郎代表より、氏が個人で行っている企画について説明があり、当会として協賛することが決定しました。
『ありがとう』を伝えよう!プロジェクトは、人と人との間にある心理的な垣根を感謝によって解消することで、余計な摩擦や不信感・不安から自由で居られるようにすることを目的としています。詳しくは、特設サイトをご覧ください。
なお、本企画には当会より伊勢田駿佑委員が企画協力として参加しています。
ステインドグラスの修復
立花晃副代表より、有名私立大学のステインドグラスの修復作業についての報告がありました。
彼は現在、40年前に製作された作品を修復するプロジェクトに従事しており、世界的に希少となった伝統技術の継承に努めているところです。
※2 なお、立花副代表は作業中に負傷し、当日の会議は欠席。書面での報告となりました。
クラフトバザーイベントの開催延期
高巣恵委員より、氏が個人で行っているバザー企画の開催について相談を受けました。
秋頃の開催予定でしたが、コロナ自粛に伴う企画開始時点での準備不足とコロナ禍の再来(第2・3波)を考慮し、当会としては一旦開催を延期することを推奨しました。
その他
「姫路城の活用(文化資源と観光資源の両立)」「言葉を用いたタクティカルアート」など、多くのテーマで報告や積極的な議論が行われました。

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